出会い、楽しい生活、別れ、せつない想いそして再会-その18-
「フク!あの人達は誰?」
ぼくちゃんは、僕に聞きました。
『クウーン、クウーン』
『僕のご主人様のお姉ちゃんとお父さん、お母さんです!』
ぼくちゃんは怪訝な顔をして、僕を見つめています。
やがて、三人は、パパとママそしてぼくちゃんの前に来ました。
「岩井さん、この度は大変お世話になりました」
お父さんは、深々と頭を下げて言いました。
お母さんも深々と頭を下げて言いました。
「本当にお手数をおかけしました」
お姉ちゃんが、ぼくちゃんの前に屈みながら、
「おじさま、おばさま、一樹ちゃん、本当にありがとうございました」
「吉岡さん、そのように丁寧にご挨拶をされますと恐縮します」
パパがお父さんにそう言いました。
「一樹、こちらの方はフクの、いやエルフの飼い主さんだよ」
「今日、エルフを連れに来られたんだよ!」
「パパ、ママ、フクは居なくなるの?」
「ぼく、嫌だ!」
「フクは、ぼくの犬だ!」
ぼくちゃんは、ぼくを抱きしめながら大きな声で言いました。
「カズちゃん、フクは元の飼い主さんのところに帰るのよ」
「嫌だ!フク、フクはぼくと一緒に居るんだ!」
「吉岡さんたちは、エルフを長い間探していたんだ」
「エルフがいなくなって、とても寂しかったそうだよ」
「エルフは元の飼い主さんのところに帰るのが一番なんだよ」
「一樹は男の子で、強くなったから、笑ってエルフを送り出してやりなさい」
「それが、一樹の一番の友だちのフクのためになるから」
パパはぼくちゃんを抱きしめながら静かに言いました。
「カズちゃんの大切なフクと分かれるのは寂しいけれど、男の子は我慢しないといけませんよ」
「カズちゃんは、フクのおかげで強い子になったはずでしょ」
ママもぼくちゃんに優しく言いました。
しばらくしてからぼくちゃんは、
「パパ、ママ、分かりました」
「フクは、お姉ちゃんのところに帰って、今以上に幸せになるんだよねぇ」
「ぼくは、フクと別れても泣かないよ、絶対に泣かないよ」
そう言いながら両手の拳を握り締めました。
握りしめた拳がワナワナと震えるのが分かります。
「ぼく泣かないよ!絶対に泣かないよ!」
「フク、幸せにねぇ」
ぼくちゃんは必死で泣くのをこらえました。
しかし、大粒の涙か両目から溢れて出て、僕の顔を濡らしました。
『ぼくちゃん、ごめんなさい』
『僕は、帰らないといけません、でもぼくちゃんやパパ、ママに可愛がられ大切にされたことは、決して忘れません』
『クウーン、クウーン』
僕は必死で、ぼくちゃんに訴えました。
「一樹、よく分かってくれたねぇ」
「カズちゃんは強い子だから、分かってくれるとママは信じていました」
「ぼく泣かないよ、絶対に!」
「フク、ぼくのことはわすれないでねぇ」
続く
ぼくちゃんは、僕に聞きました。
『クウーン、クウーン』
『僕のご主人様のお姉ちゃんとお父さん、お母さんです!』
ぼくちゃんは怪訝な顔をして、僕を見つめています。
やがて、三人は、パパとママそしてぼくちゃんの前に来ました。
「岩井さん、この度は大変お世話になりました」
お父さんは、深々と頭を下げて言いました。
お母さんも深々と頭を下げて言いました。
「本当にお手数をおかけしました」
お姉ちゃんが、ぼくちゃんの前に屈みながら、
「おじさま、おばさま、一樹ちゃん、本当にありがとうございました」
「吉岡さん、そのように丁寧にご挨拶をされますと恐縮します」
パパがお父さんにそう言いました。
「一樹、こちらの方はフクの、いやエルフの飼い主さんだよ」
「今日、エルフを連れに来られたんだよ!」
「パパ、ママ、フクは居なくなるの?」
「ぼく、嫌だ!」
「フクは、ぼくの犬だ!」
ぼくちゃんは、ぼくを抱きしめながら大きな声で言いました。
「カズちゃん、フクは元の飼い主さんのところに帰るのよ」
「嫌だ!フク、フクはぼくと一緒に居るんだ!」
「吉岡さんたちは、エルフを長い間探していたんだ」
「エルフがいなくなって、とても寂しかったそうだよ」
「エルフは元の飼い主さんのところに帰るのが一番なんだよ」
「一樹は男の子で、強くなったから、笑ってエルフを送り出してやりなさい」
「それが、一樹の一番の友だちのフクのためになるから」
パパはぼくちゃんを抱きしめながら静かに言いました。
「カズちゃんの大切なフクと分かれるのは寂しいけれど、男の子は我慢しないといけませんよ」
「カズちゃんは、フクのおかげで強い子になったはずでしょ」
ママもぼくちゃんに優しく言いました。
しばらくしてからぼくちゃんは、
「パパ、ママ、分かりました」
「フクは、お姉ちゃんのところに帰って、今以上に幸せになるんだよねぇ」
「ぼくは、フクと別れても泣かないよ、絶対に泣かないよ」
そう言いながら両手の拳を握り締めました。
握りしめた拳がワナワナと震えるのが分かります。
「ぼく泣かないよ!絶対に泣かないよ!」
「フク、幸せにねぇ」
ぼくちゃんは必死で泣くのをこらえました。
しかし、大粒の涙か両目から溢れて出て、僕の顔を濡らしました。
『ぼくちゃん、ごめんなさい』
『僕は、帰らないといけません、でもぼくちゃんやパパ、ママに可愛がられ大切にされたことは、決して忘れません』
『クウーン、クウーン』
僕は必死で、ぼくちゃんに訴えました。
「一樹、よく分かってくれたねぇ」
「カズちゃんは強い子だから、分かってくれるとママは信じていました」
「ぼく泣かないよ、絶対に!」
「フク、ぼくのことはわすれないでねぇ」
続く