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懐かしい臭い-その3-

「メリーごめんね、メリー」
家内は何度も何度もメリーに訴えた。

医師は1本の注射を首にした。
数分後メリーーは我々に看取られながら静かに息を引き取った。

「メリー!メリー!メリー!」
二人はなんども呼びかけたがメリーは二度と目を開けることもなく、動きもしなかった。

メリーの何時も座る椅子を眺めると昨日のことが走馬灯のように眼前を駆け抜けて言った。
「メリー!お前はもういないんだなぁ」
私はひとりつぶやいたとき、
「お父さん!ここにいたんですか?!メリーのことを考えていたんでしょう!」
知らないうちに家内がベランダに来て後ろから声をかけてきた。
「そういうお前はどうして?」
「私もメリーのことが忘れられず、この時間メリーが座っていたここへきました。」
「そうか!お前も」
しばらく無言でメリーの座っていた椅子を二人でじっと眺めていた。


カリカリ、カリカリ、ベランダのドアを内側から引っかく音が聞こえた。
「メリー」
二人は同時に叫んだ。
私はベランダの戸を開けた。
室内はすでに薄暗く、そこにはメリーの姿はなかった。
「空耳か!?」
私はつぶやいたとき、家内が
「お父さん!あそこにメリーが」
と叫んだ。
「どこに!」
私は家内に問いかけた。
「部屋の奥に」
家内が指さした場所に、確かにメリーが尻尾を振りながら座っている姿が霞のように見えた。
「メリー!メリー!」
二人は大声で呼びかけた。

『お父さん、お母さん、ありがとう、私楽しかったです』
『私はお父さんとお母さんのことは忘れません』
『ありがとう』
確かにメリーの話す声が聞こえた。
「メリー!」
私は大きな声で呼びかけながら、部屋の中に飛び込みメリーを両腕で抱き抱えようとしましたが、腕は虚しく
空を切りメリーの姿はスーと消え去りました。
「メリー!どこへ行ったの?」
私は部屋の中を見渡しましたが、どこにもメリーの姿はなく、懐かしいメリーの匂いだけが漂っていました。
「お母さんにもメリーが見えた?メリーが話すのが聞こえた?」
私は家内に問いかけました。
「私にもメリーの姿が見え、確かに話しかけるのが聞こえましたよ」
家内は泣きながら答えた。
「そうか!メリー私たちに別れを告げに来たんだ、きっとそうに違いない、なぁお母さん!」
「私もそう思います」
「メリー!メリー!」
二人はメリーの名を呼び何時も座っいてた椅子を眺めました。
冷たい秋風に吹かれて椅子の上で枯れ葉が舞っていました。



theme : 犬のいる生活
genre : ペット

tag : 別れ 懐かしい臭い

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